
絢爛豪華な平安時代の裏側では
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日本独特の文化が花開いた時代が平安時代と言われています。京の都では雅やかで繊細な、現在の『古き良き日本』の原型が完成した時代と言ってもいいかと思います。
しかし、その裏では妖怪や怨霊に怯える人々の姿がありました。そしてそれは伝説となって今も語り継がれています。今回は少し違った京都をご紹介します。
一条戻橋
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平安時代の有名人の中に安倍晴明がいます。最近でもフィギュアスケートの羽生結弦選手がモチーフにしたことで知られた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
晴明の家はこの近くにあり、式神と呼ばれる使い魔を便利に使っていたのですが・・・奥方が「気持ち悪いからどこかに隠してちょうだい!」と怒ってしまいました。仕方なく用があるとき以外はここで待機しているようにと式神に命じたのが一条戻橋のたもとだと言われています。さしもの晴明も奥方にはかなわなかったようですね。
橋の名の由来は、父の死に目に会えなかった修行僧が橋の上で葬列を見つけ「なんという親不孝をしてしまったのか」と嘆き悲しんだところ、一時父が蘇り最期の別れができた、という故事からだそうです。
そのほかにも渡辺綱という鬼退治の四天王が鬼の腕を切り落としたなど、逸話に事欠かない橋です。現在の一条戻橋は作り直されたもので、元の橋柱を使ったミニチュア版が晴明神社にあります。
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【神社名】晴明神社
【住所】〒602-8222 京都府京都市上京区堀川通一条上ル806
【電話番号】075-441-6460
【参拝時間】9:00〜18:00
【拝観料】無料
【定休日】無休
【公式HP】http://www.seimeijinja.jp/
仁和寺
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安倍晴明という天才陰陽師には数々の逸話がありますが、仁和寺でもひとつやらかしているのでご紹介します。
仁和寺の別当(お坊さんの役職)である寛朝僧正に会いに行った晴明は、その場に居合わせた公卿や修行僧たちに池にいたカエルを手を使わず殺すことができるか、と問われます。
「お寺の中で随分と物騒なことを申されますな。私は殺すことはできますが、生き返らせることはできません。無益な殺生は罪ですが詐欺師呼ばわりされるのも癪に障りますから一度だけやりましょう」
そう言って草をちぎると呪文を唱えカエルに向かって投げ、草がカエルの背中に触れたとたんぺしゃんこにつぶれてしまいました。
それを見た人々はあまりの術のすさまじさに顔面蒼白になった、というお話です。あまりに興味本位が過ぎるので腹立たしかったのでしょうか?
晴明が会いに行った寛朝僧正も高貴な血筋の方でありながら豪快で怪力、追剥にあったときに遠くの大工の足場まで蹴り飛ばし、
「追剥などせずとも、衣がほしいと素直に言えばよいものを。それができぬ心掛けが悪い」と諭して暖かい衣を与えて立ち去らせた、という伝説があります。
仁和寺自体も世界遺産に登録されており、昔は皇族と深いつながりがあったためか国宝と重要文化財だらけのお寺です。また、桜の名所としても有名です。
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【寺院名】仁和寺(にんなじ)
【住所】〒616−8092 京都府京都市右京区御室大内33
【電話番号】075-461-1155
【参拝時間】施設・季節によって変わります。要確認
【拝観料】大人500円 小中学生300円
【定休日】無休
【公式HP】http://www.ninnaji.or.jp/
貴船神社
参照元:http://blog.livedoor.jp/tmako123/
貴船神社と切っても切れない関係があるものといえば『丑の刻参り』ですね。憎い相手を呪いながら藁人形をご神木に五寸釘で打ち付ける、というあれです。
電気を使って夜でも明るい現代ですが、平安のころは草木も眠る丑三つ時と表現されたように漆黒の暗闇の中をただ一人、呪う相手を思い釘を打つ・・・
非力であり、当時の習慣として顔をみだりに見せることを良しとしなかった女性は呪術に頼る人々が多かったのかもしれませんね。現在はもちろん、ご神木にそんなことをしたら怒られますのでくれぐれもおやめください。
雑学として一つ、神社に欠かせない絵馬ですが、貴船神社が発祥の地とする説があるようです。
古来より、晴れを願うときには白馬が、雨を願うときには黒馬が奉納されたが、実際の馬に代わって木の板に描いた馬が奉納されたこともあり、このことから絵馬が発祥したとも言われる。参照元: https://ja.wikipedia.org/
このように本来は水の神様ですので、おみくじが水占という独特のものです。そして縁結びのパワースポットとしても知られています。
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【神社名】貴船神社(きふねじんじゃ)
【住所】〒601-1112 京都府京都市左京区鞍馬貴船町180
【電話番号】075-741-2016
【参拝時間】季節により変わります。要確認
【授受所受付時間】9:00~16:30
【拝観料】無料
【定休日】無休
【公式HP】http://kifunejinja.jp/
六道珍皇寺
平安時代の実在した貴族に小野篁(おののたかむら)という人がいます。
反骨精神が強く、一度は失脚し流刑になりながらも政界に復帰、文武両道で六尺二寸(約188㎝)の大男、野宰相・野狂と呼ばれた男・・・と枚挙に暇がないほどの伝説の持ち主なのですが、
極めつけは『毎夜毎夜、地獄に行って閻魔大王の助手をしていた』でしょう。朝になると何事もなかったように昇殿していたというから驚きです。
地獄、つまりあの世へ行ってこの世に戻ってくることを繰り返していたわけですが、どうやっていたかというとこの六道珍皇寺の井戸を使って通っていたとのこと。その井戸は現存しています。『冥土通いの井戸』と呼ばれています。
ちなみにこちらは入り口で、出口は別のところにあります。こちらは『黄泉がえりの井戸』。
黄泉がえりの井戸は最近発見され復元されたもので、普段は撮影禁止だそうです。
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【寺院名】六道珍皇寺(ろくどうちんのうじ・ろくどうちんこうじ)
【住所】京都府京都市東山区大和大路通四条下ル4丁目小松町595
【電話番号】075-561-4129
【参拝時間】9:00~16:00
【拝観料】無料
【定休日】無休
【公式HP】http://www.rokudou.jp
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