
妊娠すると、おりものに変化があったり体温が変化したりと、妊娠の兆候が現れます。その中には下痢になるといったケースもあります。妊娠初期や妊娠の疑いがある場合には、いつも以上に早く下痢を治したいものですね。
今回はその原因と対処法をご紹介します。
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下痢はつわりの症状の一つ
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つわり(悪阻)とは、一般的には妊娠初期に起こる吐き気や嘔吐のことです。他には、空腹時にむかついたり、発熱、食欲不振、睡眠障害、脱水症状などがあります。下痢の場合もありますが、逆に便秘になったり、下痢と便秘が交互に現れる場合もあります。多くの場合つわりは妊娠初期を過ぎれば緩和されますので、それといっしょに下痢がおさまることもよくあります。
妊娠は病気ではないので、つわりの一種としての下痢も体調不良ではあっても病気ではありません。逆に言えば、病原菌やウィルスが引き起こしたものではないので治療をすることが難しくなります(病気が原因の下痢である場合もありますので症状がひどい時には医師の診断は必要です)。
ですから、下痢だけを治すのではなく、下痢を含めたつわりを緩和するというふうに考えてください。
一般的につわりの症状を緩和する方法は?
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つわりが発生する原因はまだわかりません。症状も様々で人によってかなり違いますし、薬を飲んだら治るというものではないのです。病院では症状に応じて対処療法をおこなうしかありません(明らかに異常な症状の場合には治療が行われます)。
つわりというのは、言ってみれば体が妊娠・出産に耐えられるように変化していく際の体に対する負担の表れです。体をしっかりと健康な状態に保つことが何よりも大事なことです。具体的な対処法としては以下のようになります。
・水分や食事をしっかりととりましょう。好みが変わっていても、栄養面で問題がなければ食べたいものを食べましょう。
・疲労が蓄積すると体への負担が大きくなります。しっかりと休養を取り、疲労が激しい時は安静にしましょう。
・心理的な強いストレスも体への負担になります。あまりストレスのたまらない生活を心がけましょう。
・低血糖状態を防ぐため、身近なところにクッキーなど食べられるものを置いておきましょう。
・周囲の方に協力を仰ぎ、対処できる環境を作りましょう。
・つわりは必ず終わりが来ます。あまり思い悩まないようにしましょう。
下痢になる原因:ホルモンバランスや自律神経の乱れ
そういったつわりの中でも、下痢の症状が出やすい場合があります。次はそれを見ていきましょう。
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妊娠すると女性ホルモンが大量に分泌されるなどの変化が起こり、それにともなってhCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)が分泌されたり、黄体ホルモンであるプロゲステン、卵胞ホルモンのエストロゲンが分泌されます。
これらのホルモンが出ることによって腸内の水分が不足したり、腸自体の働きを弱めることが下痢の原因の一つになります。また、ホルモンバランスが変化することによって自律神経が乱れるということも大きな原因です。
ホルモンバランスの変化は妊娠に伴う変化なので抑えるわけにはいきません。できるだけ胃腸に負担を掛けないようにするため、30回以上噛んでから飲みこむようにしたり、消化の悪いものを避け、胃にやさしいお粥やうどんなどを食べたり、一度に大量に食べず少量ずつとる必要があります。
下痢になる原因:精神的なストレス
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妊娠していなくても、不摂生な生活をしたり、悩みごとなどが原因で精神的にストレスを抱えていると突然下痢になったりします。精神的なストレスが胃腸に与える影響は非常に大きく、まして妊娠していると体がいつも以上に敏感に反応します。
妊娠しているかどうかというのは、本人も周りの人も非常に気になるもの。ピリピリしたり、寝不足になる場合もあるでしょう。しかし過大なストレスは、妊婦にも胎児にも悪影響を及ぼします。基本的な生活リズムを整え、リラックスして穏やかな気持ちで過ごすように意識しましょう。
下痢になる原因:冷え
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一般的に体が冷えると下痢になりやすくなります。妊娠中はホルモンの影響で血液の流れが滞ることがよくあり、そのために体が冷えやすくなります。
体を冷やす食べ物、冷たい飲み物は極力摂らないことが大切です。冷たいものは体を冷やすだけでなく、腸を収縮させますので、そのことが下痢につながります。できるだけ体を温める食べ物を摂るように心がけましょう。また、腹巻などをしてお腹を温めたり、靴下などを重ねて履くなど、特に下半身を冷やさないなどの工夫をしましょう。
症状がひどい時には受診を
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いつもよりも柔らかい便が数回出る程度は全く問題ありません。下痢はつわりの症状の一つなので少しの変化は気にしないことです。あまり神経質にならず、おおらかな気持ちでいることが妊婦には何より大切なことです。
しかし、長い間下痢の症状が続いたり、水溶性の便が何日も出続けたり、吐き気を伴ったり、下痢とは違う激しい腹痛を感じるなど、いつもの下痢とは違う不安な要素がある場合は、ウィルス性腸炎や食中毒といった他の病気が考えられますので、早めに病院へ行って受診しましょう。
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